温泉につかることにより、血圧には大きな変化があらわれることから、高血圧や低血圧の人は温泉に入っても大丈夫なのかと気になる人も多いかもしれません。とはいえ温泉効能に高血圧などの文字があれば、ぜひとも入りたいと思うはずです。基本的に高血圧や低血圧だから温泉に入ってはいけないということはありません。それぞれが注意点をしっかりと守ることにより、安全で快適な入浴をすることができるでしょう。
最初に高血圧の人が注意したいことは、食事や飲酒をしたら、入浴までに時間を空けることです。これは血圧に関係なく意識したいことですが、食後すぐや飲酒後に入浴をすることはかなり危険です。食後2時間以内は血圧が低下する時間帯です。飲酒に関しても高血圧の場合には数時間血圧が低下することでしょう。このようなことから、食後や飲酒後は2時間程度明けたうえで、入浴するようにしましょう。そしておふろに入る前にいた部屋から脱衣所に移動した場合には、かなり冷えていることが多く見られます。このときに体から熱が奪われないように毛細血管は縮まり、血圧が高くなるのです。そのため温度差をなくすためにも、脱衣所が暖かいかどうかを確認することが大切です。そしてできる限りぬるめのお湯につかるようにします。温度が高いと体への負担が大きく、熱いお湯につかると交感神経が活発になり血圧があがってしまいます。ベストの温度は38から41度と覚えておきましょう。肩までお湯につかると、水圧により心臓への負担が増えるので、半身浴で過ごすのがお勧めです。
反対に低血圧の人が注意したいこととしては、場合によっては入浴時にめまいや立ちくらみを起こす可能性があります。低血圧で一番問題になるのが、この起立性低血圧です。これは座った状態から急に立ち上がった時に血圧が下がり、めまいや立ちくらみをおこすものです。めまいや立ちくらみによって変動するリスクを避けるためにも、長時間の入浴をしないように注意しましょう。また立ち上がる時にはゆっくりと動くことが大切です。万が一立ち上がった際にめまいがした場合には、すぐにその場でしゃがみます。これは血圧の調整が遅れているだけなので、一過性の症状です。すぐに血圧は正常になるので特に心配はありません。また水分補給も大切なことです。脱水を防ぎ血液の循環を増加させる働きがあるため、特に制限がない場合には、適度な水分や塩分の摂取を心掛けることが大切です。特に入浴前にはコップ一杯の水分を補給するようにしましょう。また日頃から健康管理を意識し、体調が優れないときには、入浴は控えましょう。